私が深夜のコンビニで働いていた頃、相方と協力しておでんセールの時に一晩で86個販売したことがあります。
この86個という数字が多いと見るか少ないと見るかは個人の判断に任せるとして、どうやったら客の一番少ない深夜でもおでんをたくさん販売できるか、そのコツを伝授します。
一見すると深夜は客も少ないし、おでんもそんなに売れないだろうと考えている人もいそうですが、実は仕事に対する考え方、マインドさえ変えれば一転して売れるおでんに大変身します。
あ、この数字を出したのは、9月のおでんセールの時に一日を通して1600個以上販売した実績がある店舗でのできごとでした。
コツ1.売れた具材はすぐに次のを仕込む
まず、何も考えずに鍋にないor売れた具材をすぐに仕込んでいきます。
とはいっても深夜は既に2鍋から1鍋に減らしている時間帯ですので、仕込める個数に限りがあります。
それでも私の場合基本的に通常価格の時は2個、おでん70円セールをやっていた時はさらに増やして3個、たまごと大根は2パック6個のペースで仕込んでました。
22時、交代の段階でおでん鍋に具が少なかったらそれはそれは悲惨でしたね。
さすがにセールの時はある程度の具材の量はいつも揃っていましたが、学生バイトの人は基本的にセールは「めんどくさいもの、さっさと終わってほしいもの」っていう考えですから積極的に具を仕込みませんし、上も「深夜は売れない」なんて言うもんだからなおさら具を仕込むことはありません。
でもこの指示を素直に聞いてしまうと本当に売れなくなります。
売るためにはこの指示を無視することが大事です。
上は販売個数の数字しか見てないですからね。
数字の裏ではいろいろ客と店員のやりとりがあるんですが、それは現場にいる店員にしか分かりません。
新しい具材を仕込むことにより、にごっていたおつゆがキレイになり更に売れるという好循環も生まれました。
なのでこちらで具材を仕込むしかないんですが、これにまず最初の30分費やすのは覚悟です。
意外と下処理が多いんですよ。一回パックにひたっているつけ汁捨てた後に洗ったり、油抜きしたり、ゼラチン落としたり・・・
今は工場で全てやってからお店に納品されるように製法を見直しているみたいなので、ちょっとは楽になってるんですけどね。
ただ、販売できるまでにさらに30分時間を置かないといけない!
1鍋で回していたんですが、それでも24時までは具材を仕込むペースよりも売れるペースのほうが早かったため、すべての具材を完全に販売することはできませんでした。
逆に0時をすぎると客数も減り、あとは販売するだけになるんですけどね。
コツ2.声掛けをする
よく昼間にコンビニに行くと不特定多数に定型文で声掛けをしているお店があるんですが、私はそれはやりませんでした。
あれ、購入に結びつくのか疑問だらけだからです。
私なら、あれでむしろ買う気をなくしてしまうんですよね。
確かにオバちゃんになら効果はあるのかもしれませんが・・・
なので、ちょっと客がおでんに目をやったなーと思ったらすかさずその人に向かってだけ特別な声掛け。
「おでんいきますか?いまならできたてですよ?」
これだけでも声掛けをした7割くらいの人がおでんを買ってくれましたね。
このとき、器の大きさは聞きません、いきなり一番大きい器とトングを手に取ります。
小さい器を希望する人はその後言ってくれるんですが、実際は買ってくれた人の5割が私が手に持った大きい器から変えませんでした。
コツ3.売れてるおでんの演出
後日おでんの販売個数の数字を見たんですが、実は私がいない日の深夜の販売個数、なんと1/2から1/3だったんですよね。
何が違うのか?と考えてみたところ、やはり具材の仕込みのペースに大きな違いがありましたね。
私の場合は売れたらすぐに新しい具材を仕込むんですが、いない日はいつもの仕事にいっぱいいっぱいで、そこまで手が回っていなかったんですね。
その中で分かったことも4つありました。
・仕込んでいる姿を見せる
・別な客が注文している
・普段よりも具が新しい(しみすぎを放置して具が黒ずんでない)
・やたらユニフォームが汚い(おでんのつゆがはねるため)
こんな感じで売れてるおでんを演出すると、自分も買ってみようって心理が働くんですよね。
人が買ってるのが分かるおでんはいつもよりもおいしく見えるものですから・・・
実際におでんを売ってみた感想
金曜の深夜っていうただでさえ他の業務で忙しい日によくおでんをたくさん売ったなあーと我ながら感心してます。
その分前の時間帯の仕事が残っていて、洗い物の負担も相当半端なかったんですけどね。
今はセブンイレブンには食洗機が徐々に導入されているので、洗い物の作業も時間は1/3くらいに減り、体曲げなくていいから負担もものすごく減ってるんじゃないかな?と考えてます。
体力的にも精神的にも。
その日帰ったらものすごく疲れてましたからね。
ちょっと仮眠して起きると脚が両足とも痛いんですよ、疲れで。
深夜のバイトって、大多数の人が楽なイメージを持ってますが、実際は納品納品納品がこの時間帯に重なってものすごく動き回るんですよね。
(深夜のバイトに人が来ないのも、実は体力仕事なのが分かってるからという可能性も)
ただ、仕事の合間合間を縫って仕込めば仕込むほど狙ったようにおでんがバカ売れする、その快感は味わえましたね。
今年もいつものようにおでんのセールが始まります。
バイトしている方、店長さん、ぜひこのコツをマスターしてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございます。